双子の妊娠はいつわかる?妊婦検診に違いはあるの?


妊娠が判明して、嬉しい幸せな気持ちいっぱいですが、その妊娠が双子と告げられると、周りの妊婦さんとは違った、なんだか複雑な気持ちになる人は多いものです。
一度に2人の赤ちゃんが生まれるというのは、喜びも2倍ですが、その反面不安や心配も2倍になるからではないでしょうか?
妊娠に関するいろいろな情報は巷にあふれていますが、双子の妊娠となると、妊娠出産を経験した人でも知らないことが多いのです。
そこで今回は
・双子の妊娠はいつわかるの?
・双子だと他の妊婦さんと妊婦健診の内容が変わるの?
・双子の妊娠はどんなリスクがあるの?
といった方に、双子の妊婦検診について詳しくご紹介します。

近年、双子の妊娠が増えており、不妊治療の増加が理由の一つと考えられています。
双子は不妊治療で人工的に行う体内受精、体外受精などの高度生殖医療を行うと生まれやすいといわれています。
また、排卵誘発剤の使用で排卵を人工的に促すこと多いのも原因となっています。
高齢で不妊治療をして妊娠する人が増えているので、40歳で双子を妊娠する確率がおよそ2.5パーセント、45歳以上ではおよそ6パーセントほどと高確率になっています。
まったくの自然妊娠での双子の出生率0.4パーセントほどと考えると、双子の出産は増えており、高齢女性の双子出産は飛躍的に伸びているといえます。
双子の妊娠は双胎妊娠と呼びますが、双胎妊娠が判明するのは一卵性双生児と二卵性双生児とでは少し時期が違います。
一般的な妊娠では、エコー検査で妊娠5週目の胎嚢を確認し、その後妊娠6~7週の頃に心拍を確認できます。
一卵性双生児の場合は、受精卵が1つということで1つの胎嚢を確認し、その後のエコー検査で心拍が2つあると確認できた時に、双子の妊娠が確認できます。
ですから、一卵性双生児の場合は、一般的な妊娠とほぼ同じ妊娠6~7週の時期に妊娠を確認することができます(6~7週の時期に心拍を2つ確認できなかった場合はもう少し後)。
一方、二卵性双生児の場合は、受精卵が2つあったことから、妊娠5週目で胎嚢が2つ確認できた段階で二卵生の双子であることが分かります。
胎嚢の成長には個人差もありますので、双子の判明には時期のずれがあると考えておきましょう。
単胎妊娠でも、赤ちゃんが生まれてくるまでに通常の体の状態よりも負荷がかかるのでいろいろなリスクがあります。
双子の妊娠ではどのようなリスクが考えられるのでしょうか?お母さんのリスクと赤ちゃんのリスクを見てみましょう。
双子の妊娠は単胎妊娠の場合と比べて、母体のリスクも上がります。
単純なことでいえば、単胎妊娠でも出産間近のお腹はパンパンに大きくなりますが、双子の場合はお腹の大きさは、2倍までは行かないとしても相当の大きさになります。
また、お腹が大きくなる時期は単胎妊娠よりも早くなります。このため、お母さんは通常の妊婦さんよりもお腹が大きいので、生活し辛いということもありますが、「切迫早産」になる確率も高くなります。
また、通常よりもぐんぐんお腹の皮が引っ張られるので、妊娠線があらわれやすくなります。
妊婦さんは赤ちゃんを体内で育てているので血液が不足しやすくなり「貧血」の人が増えますが、双子の妊娠はより貧血が酷くなりますし、血流も悪くなりますので浮腫みやすくなります。
また、2人分の赤ちゃんから出される尿などの老廃物で、腎機能などに負荷がかかりますし、羊水が増えすぎる羊水過多や、妊娠高血圧症候群のリスクもあります。
母体に負荷がかかりすぎて、正期産まで妊娠の継続ができないと判断された場合などは、帝王切開で早目に出産することもあります。
母体や赤ちゃんが健康である場合や逆子などのリスクがない場合、自然分娩で双子を出産することもありますが、大事をとって出産日をあらかじめ相談して帝王切開で出産する人が多いのが現状です。
1つの子宮で2人の赤ちゃんを同時に育てるということは、通常よりも赤ちゃんたちにも負荷がかかり、さまざまなリスクが高くなります。
双子の場合、2人ともに同じようにしっかり成長するということができないということがあります。
1つの胎盤で2人の赤ちゃんの成長を支えている場合は、2人に同じように血液が流れず、「双体間輸血症候群」などの症状で、1人はしっかり成長できていても、もう1人の成長が著しく遅れることもあります。
最悪の場合は、「バニシングツイン」といって突然お腹の中で赤ちゃんの1人が亡くなってしまうこともあります。

妊婦検診は、妊娠健康診査のことで、妊娠した時から出産するまでの妊娠期間に専門の医療機関を定期的に受診し、妊婦さんと赤ちゃんの健康状態や成長具合を、定期的に検査して確認して、無事出産できるようにするという検診です。
妊娠したかな?と思って産婦人科などを受診して、妊娠が分かった段階から、専門機関でしっかり健康状態をチェックしてくれるので、妊婦さんにとって非常に重要な検診です。
妊娠週数によって受診する頻度や検査内容などは異なり、担当医が必要と判断すると通常よりも詳しい検査や治療などが始まります。
妊娠期間中ずっと、母子ともに異常はないか、順調な妊娠を継続しているかということなどをチェックしてもらえます。
出産が近くなると、出産が正常に行えるか、どのように出産することがベストであるかということを判断するための検査が増えてきます。
一貫して行う妊婦検診の内容としては、体重や血圧、腹囲の測定、尿検査、週数によっては血液検査や、胎児が出産に耐えることができるかどうかをチェックするノンストレステストなどが行われます。
その他、超音波エコー検査などで赤ちゃんの成長具合をしっかり確認していきます。
決められた妊婦検診をしっかり受診することで、母子の健康の確認が行え、万が一、問題があったときでも早期に発見し治療することも可能になります。
妊娠すると産婦人科などを頻繁に受診するようになるので、忙しい人などは大変かもしれませんが、健康な赤ちゃんを無事に出産するためには必要な検診ですので、確実に受診することが大切です。
妊娠週数によって受診回数などが複雑ですが、医師や看護師、助産師などが次の受診日をしっかり設定してくれますので、受診日と決められた日は必ず受診しましょう。
母子手帳などに妊婦検診での経過を管理しますが、出産やその後の育児でもどのような妊娠経過を送っていたかということが重要になることもあります。
妊娠初期は4週間に1回、妊娠中期は2週間に1回、妊娠後期は1週間に1回と徐々に頻度が高くなります。
通常、妊娠したかな?と思って市販の妊娠検査薬で検査して陽性であったことで産婦人科などを受診することが多いのですが、早い段階でも生理予定日から1週間を過ぎないと妊娠を確定することは難しくなります。
その時点で妊娠5週ですが、この時期には「胎芽」という細胞ができて、それを覆う「胎嚢」が確認されます。
一卵性双生児の場合は、胎嚢が1つですので、この段階では単胎妊娠であることが分かりますが、胎嚢が2つ確認された場合は、妊娠5週で双子であることが分かります。
一卵性双生児の場合は、妊娠6週ほどで心音が2つ確認された時点で、双子であることが確定されます。
しかし、個人差があり、もう少し後でないと双子であるという判定ができない場合もあります。
双子の妊娠初期の妊婦検診は特に問題がないと主治医が判断した場合、単胎妊娠の妊婦と同じく、妊婦検診は意外にも4週間に1回の割合です。
医療機関によって双胎妊娠の妊婦検診に対して方針が異なるので、2週間に1回の割合で受診する場合もあります。
しかし、双胎妊娠であるからといって母子の健康状態に気になるところがなければ、4週間に一度の頻度で妊婦検診を行うと考えておきましょう。
いわゆる安定期というものに入った妊娠中期は、前半と後半に分けられます。妊娠23週までは妊娠初期と同じく4週間に1回の割合での受診となりますが、妊娠7ヶ月に入った妊娠24週からは2週間に1回のペースで受診します。
妊娠中期の双胎妊娠も母子の健康に問題がなければ、単胎妊娠の場合と妊婦検診の頻度と回数は同じです。
しかし、お腹が大きくなってくるペースが速いので、お腹が張ったり、子宮頸管が短くなったりする場合などは、2~3週間に1回と受診ペースが上がる場合もあります。
問題があれば1週間に1回のペースであることもあります。
妊娠後期である妊娠35週までは、妊娠の経過に問題なければ、2週間に1回のペースで受診することになります。これも通常通りの受診頻度です。
正期産は、妊娠37週0日から妊娠41週6日目までを指しますが、双子など多胎妊娠の場合は、37週よりも前に出産が行われる場合が多くなります。
妊娠36週目以降は、単胎妊娠の場合でも1週間に1回から2回のペースで妊婦検診を受診しますが、双子の出産がこの時期に行われることが多いので、通常は2週間に1回のペースでの妊婦検診ですが、双胎妊娠の妊婦さんの多くはこの時期から1週間に1回などのペースで受診することも多くなるのが現状です。
単胎妊娠よりも妊娠期間が短いことが多いので、通常よりも早いペースで受診するケースが多くなります。
医療機関や担当医の考え方によってばらつきがあると考えておきましょう。
双胎妊娠でも妊婦検診の内容は、単胎妊娠の場合と特に変わりはありません。
基本的には、超音波エコー検査などで、子宮底長を測定したり、胎児の成長具合を確認します。
体重、腹囲、血圧、尿検査、浮腫み、内診の検査などが行われます。
その他、子宮がん検診や、クラミジア検査、GBS(B群溶血性レンサ球菌)、NST(胎児心拍モニタリング)検査など必要に応じて行います。
双胎妊娠の場合、一卵性双生児でも、二卵性双生児でもどのような状態で妊娠しているのかというのは大きく異なります。
このため単胎妊娠では行わない「膜性検査」といって子宮の中でどのような状態で胎児がいるのか、胎盤にはどのように繋がっているのかという状態を検査します。
双子を妊娠すると、母子手帳は赤ちゃんそれぞれに一冊ずつ配布されますが、同時にもらう妊婦健康検査受診券という妊婦検診の補助券は、双子だからといって2冊はもらえません。
妊婦検診は健康保険が適応されないので、費用の心配なく安心して妊婦検診を妊婦さんすべてにしっかり受けてもらえるように配布されるのが補助券です。
補助券は地方自治体によって補助の負担額が異なるので、地域の役所などに問い合わせましょう。
双胎妊娠は普通の妊娠よりもリスクが高いので、妊婦さんは妊娠初期から出産まで非常に心配することも多いのですが、双子だからといって補助券を2倍もらえるわけではありません。
また、母子に妊娠の経過が順調である場合は、双子の妊娠でも通常のペースでの妊婦検診で行われるので、妊婦検診補助券が不足することはありません。
ですが、少しでも不安があったり、担当医から通常よりも頻繁に妊婦検診を受診するように言われると、補助券がなくなったら自費で妊婦検診の費用を出さなければいけません。
その点では、単胎妊娠よりも双胎妊娠の方が費用がかかるということになります。
検査内容によっても受診費用は異なりますが、血液検査などを自費で行うと一度の受診料が10,000円から15,000円ほどかかる場合もあります。
検診だけで通常よりも10万円から15万円ほど多くかかることもあるので費用の面は注意しておきましょう。
双子の妊娠は通常の妊娠よりも母子ともにリスクが高まりますので、妊婦検診は非常に重要になります。
妊婦検診のチェック内容や回数が通常のどのように違うのか不安になる人も多いですが、かかっている医療機関や医師の考え方などで妊婦検診の頻度は大きく変わります。
双子の妊娠でも母子ともに順調な経過をたどった妊娠であれば、単胎妊娠の妊婦さんと妊婦検診の頻度も検査内容もさほど変わりがないこともあります。
しかし、多くの場合は、通常は4週間に1回である妊婦検診が2週間に1回という具合に頻度が上がることが多くなります。
双子だからといって妊婦検診の補助券は母子手帳のように2冊もらえるというわけではありませんので、検診の回数が増えたり、検査項目が増えると自己負担費が多くなってしまいます。
安心して妊婦検診を受けるためにも、自治体の補助制度を調べたり、医療機関に相談してみましょう。