妊娠中の「頭皮のかゆみ」や「フケ」が気になる。原因は?予防と対策は?


妊婦さんになると頭皮にかゆみが出てきたり、妊娠するまではフケなどあまり悩んだことがなかったという人でも急にフケが酷くなってしまうという人がいます。
妊娠中にはどうしてこのような頭皮トラブルを起こす人が増えるのでしょうか。
そこで今回は、
・なぜ妊娠すると頭皮がかゆくなるの?
・妊娠中のフケをどうにかしたい!
・妊娠中の頭皮トラブルを防ぐには?
といった方に、妊娠中の頭皮トラブルの原因や、どのような頭皮ケアすればよいのかについて詳しくご紹介します。

女性は妊娠すると、女性ホルモンのバランスが急激に変化します。
女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)は、妊娠していない状態のときは、増えたり減ったりしてバランスをとっています。
しかし、妊娠するとことによって基礎体温を上げたり、受精卵を育てるために子宮内膜を厚くすることが必要になり、プロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が急激に増え、これが頭皮トラブルの主な原因となってます。
妊娠中でも、特に妊娠初期というのはホルモンバランスが今までと違ってくるために、常に不安定な状態のため、頭皮のトラブルが多くなるのです。
女性ホルモンであるプロゲステロン(黄体ホルモン)の特徴として、男性ホルモンのように皮脂を増やす働きがあります。
皮脂が増えるということが、頭皮トラブルの原因になります。
皮脂によって頭皮がべたつきますが、洗髪で皮脂をしっかり落とすことができずに、毛穴に溜まったりして毛穴が詰まると、頭皮にかゆみが出たり、皮脂が溜まってフケの原因になります。
特に妊娠初期は、皮脂の原因になっているプロゲステロン(黄体ホルモン)が優位に立っていることが多いので、頭皮トラブルになりやすくなります。
しかし、徐々にプロゲステロンの分泌が収まり、エストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌も増えてきますので、ホルモンバランスが落ち着いてきます。
妊娠中期の頃は女性ホルモンのバランスも落ち着いてくるので、かゆみやフケの頭皮トラブルは減ってきます。
妊娠初期はホルモンバランスが崩れ、プロゲステロンの分泌増加により、頭皮での皮脂の分泌が増えてくるのが、かゆみやフケの原因です。
皮脂が出ても入浴時の洗髪によって、ある程度皮脂を落とすことができるので、酷い頭皮トラブルには発展しないはずですが、妊娠初期で悪阻の酷い人は、体調が悪いので入浴することができずに洗髪が何日もできないという事があります。
洗髪すれば皮脂が溜まることがないのですが、何日も皮脂が頭皮に付いたままになっていることで、頭皮がべとべとと脂っぽくなり、そのことが原因でかゆみが出たり、湿疹が出ます。
かゆみが出るとどうしても掻きたくなりますが、強く掻くことで頭皮に傷ができたり、出血したり、湿疹が広がったりして重症化しやすくなります。
悪阻が酷くて入浴できないという人も、頭皮トラブルに対して注意が必要です。
妊娠中にはさまざまな変化があらわれますが、それが頭皮トラブルの原因になることがあります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
妊娠すると、基礎体温が妊娠していないときよりも上がりますので、常に体温が高い状態が続きます。
体温が高いと汗をかきやすくなります。汗を頭皮からかいてそのままにしておくと、頭皮がかゆくなったり、頭皮湿疹になります。
妊娠することによって、皮脂が多くなっているところに汗をたくさんかくと、頭皮にある常在菌という、本来から肌表面にある細菌のバランスが崩れてしまいます。
常在菌というのは頭皮にとっても大切なものなのですが、急激にバランスが壊れると、頭皮が炎症をおこし、赤くなったりかゆみがでたりする原因になります。
頭皮の湿疹が酷くなるとフケが多くなります。
妊娠中は体内で胎児を育てているために、新陳代謝がよくなります。
妊娠すると肌が綺麗になったという話をよく聞きますが、体全体の新陳代謝がよくなることが原因しています。
新陳代謝が上がるということは非常に体にとっては良いことですが、皮脂を分泌しやすくなったり、汗をかく原因にもなります。
そのため、頭皮トラブルが起こりやすくなるのです。

それでは、妊娠中の頭皮トラブル防止にできる頭皮ケアについてご紹介します。
妊娠中は頭皮だけに限らず、皮膚トラブル全体が多くなります。それだけ体がいつも以上に敏感になっているということです。
いつも使っている化粧品やシャンプーなのに、使うとヒリヒリしたり赤味が出たりするということは、今現在の肌の質には合っていないということです。
シャンプーでも、ずっと同じものを使っていても、妊娠することによって食の好みが変わるように、頭皮の状態も変化しているので、それに対応するようにシャンプーを選び直すことが大切です。
妊娠中でもありますので、刺激の強いシャンプーなどは避けるようにして、できるだけ天然由来の成分を多く含むものを選ぶと、頭皮トラブルのリスクも減ります。
泡立ちの良いシャンプーでゴシゴシと強く洗うと、皮膚の汚れもしっかり取れたような気分になりすっきりします。
しかし、爪を立てて頭皮をゴシゴシ刺激すると、頭皮に傷がつきやすくなりますし、肌が赤くなります。
皮膚に傷が付くとそこから細菌が入ったり、傷が大きくなりかゆみの原因にもなります。
シャンプーを使って洗髪する場合は、爪を立ててゴシゴシ力強く洗わないことが大切です。
頭皮を洗う場合は、指の腹で優しく揉み洗いする程度で洗うようにしましょう。
シャンプーをたくさん使って洗髪する人がいますが、シャンプーも適量というものがあります。
あまりたくさん使って洗髪すると、洗い流しが充分できない場合があり、シャンプーの成分が頭皮に残ってしまうことがあります。
シャンプーは頭皮を洗うものですが、頭皮に付着しているままになっていると頭皮トラブルになりますので、あまり大量のシャンプーで洗髪するのではなく、最低限の量で優しく洗い、しっかりと洗い流すことが大切です。
シャンプーを使わなくても、適切な温度のお湯で頭皮の汚れを洗い流すことができれば、本来はそれが一番自然で皮膚に優しい洗髪になります。
汗や皮脂が頭皮にあまり残らないことを意識して、毎日洗い流すように洗髪しましょう。
洗髪した後に、髪を濡れたままの状態にして眠ると、頭皮に菌が繁殖し頭皮トラブルの原因になります。
髪の先の方だけを乾かすのではなく、髪の付け根の辺りも適温のドライヤーの風をあててしっかり乾燥させてから眠るようにしましょう。
妊娠中はどうしても代謝が上がったり、体温が上昇するので汗をかきます。
頭皮は特に汗をかきやすいのですが、髪があるので他の場所のようになかなか汗のケアをすることができにくい状況にあります。
しかし、汗をそのまま放置するよりも、タオルなどでしっかり汗をふき取った方が頭皮トラブルを起こし難くなります。
頭皮に汗をかいたなと思うときは、タオルなどでしっかり汗をふき取りましょう。
妊娠中は、普段よりも暑いと感じることが多いので、周りの人が汗をかいていないのに自分だけは汗をかいているということが多くあります。
極端に暑かったり、寒かったりという状態では適温にするのは難しいのですが、外出先でも家の中でも、温度に気をつけながら過ごすと、汗を大量にかくということが少なくなります。
暑い場合はすぐに脱げたり、寒いのですぐに重ね着することができると、自分の適温に合わせやすいです。
妊婦さんは特に冷えは大敵ですが、自分に合った適温の状態にいることで汗をかきにくい状態になります。
妊娠、出産を機に髪型を変える女性が多いのですが、妊娠中の頭皮トラブルを解消するために髪型を変えるという人もいます。
妊娠中は代謝もよくなり汗もかきますので、一番楽な髪型はショートヘアということになります。
汗をかいても頭皮部分までタオルで簡単に汗を拭くこともでき、洗髪後のドライヤーでの所要時間も短くなります。
妊娠中というのは何かとストレスが溜まります。
頭皮の湿疹なども、そのような精神的や肉体的ストレスが原因になっていることもありますので、できるだけストレスを溜めないように生活しましょう。
睡眠時間が足りないとどうしても疲れが溜まってきてしまいます。疲れが溜まってくると
自律神経が乱れてしまいますので湿疹や蕁麻疹などになりやすくなります。生活のリズムをしっかり作って、睡眠時間をしっかりとることで湿疹や蕁麻疹になることを防ぐことができます。
妊娠中でもオシャレでいたいと思う妊婦さんも多いので、妊娠していてもヘアカラーが欠かせないという人もいます。
しかし、ヘアカラーというのは妊婦さんが頻繁に行うと、ヘアカラーの溶剤が頭皮に付着することで頭皮トラブルの原因になりやすので注意が必要です。
特に市販されているヘアカラー溶剤は、刺激が強いものが多いので、妊娠中はできるだけ使用するのはやめましょう。
美容室などでヘアカラーをしている人などは、妊娠していることを担当の人に前もって言っておくことが大切です。
美容院のヘアカラー溶剤は、美容院によっては強いものから自然なものまで揃っていることがありますので、妊娠していてもヘアカラーする場合は、溶剤を自然なものに変えるようにアドバイスされることもあります。
また、ヘアカラーの溶剤は頭皮に付着することで頭皮が赤くなったり、ただれたりすることがあり、妊娠中はそのリスクも高まるため、ヘアカラーをする時はお店に問い合わせてみましょう。
妊娠中に頭皮トラブルになってかゆくなったり、頭皮が赤くなったり、フケが酷くなる場合は担当の医師か皮膚科に相談するようにしましょう。
我慢できる程度のトラブルならば、シャンプーを変えたりすることで治癒することもありますが、湿疹になったり、出血があったりするほどのかゆみは、我慢することで余計にストレスがかかります。
原因が分かっていない場合なども含めて、かゆみやフケが酷くなった場合は専門機関を受診して相談しましょう。
頭皮トラブルで皮膚科などを受診すると、塗り薬などを処方されます。
妊娠しているということを申告しておくと、担当医も妊婦さんが使用しても大丈夫な薬を処方してくれます。
妊娠中でも頭皮トラブルがひどい場合は、ステロイドを含んだ塗り薬が処方されることが多いです。
ステロイドと聞くと、妊婦さんが使用してはいけない危ないものというイメージがある人もいますが、ステロイドにも弱い薬、強い薬などさまざまあります。
また、ステロイドは短期間に限り使用する場合は効果もありますし、妊婦さんが使っても特に問題はありません。
ステロイドの塗り薬ならば、皮膚から体内に吸収されるステロイドの量が少ないため、妊婦さんでも使用することは珍しくありませんが、飲み薬でステロイドを使用することは少ないので注意しましょう。
ステロイドの塗り薬は短期間に一気に使うことによって治りが早くなります。
ただステロイドを使うことに抵抗があるだけで、市販の塗り薬をダラダラと長期間使うよりも、専門の医師が処方したステロイド剤を短期間使用して、かゆみなどのトラブルを解消する方がいい場合もたくさんあります。

妊婦さんでも特に妊娠初期の段階では、女性ホルモンのプロゲステロンの分泌が増加してホルモンバランスが悪くなり、皮脂の分泌が増えます。
頭皮は皮脂が分泌する毛穴が多いために、皮脂量が増えると影響が出やすくなり、かゆみが出たり、フケが酷くなるということは決して珍しいことではありません。
皮脂が頭皮に残留して、汗などの成分と混ざり菌が増殖し、肌トラブルになることが多いのですが、入浴するたびに洗髪して、皮脂汚れを毛頭皮に残さないようにすることで大部分のトラブルは解消されます。
妊娠することで肌がデリケートになっているので、刺激の強いシャンプーは避けて、できるだけ自然由来の成分のシャンプーを使用しましょう。
シャンプーを使用する際は、適量を使用し、優しく髪を洗います。すすぎ残しがないようにお湯で丁寧に成分を洗い流しましょう。